今 ひとたびの 夢…

月夜歌聲ー番外編・雑記帳ー



まず、メモ的に人物像をまとめていきたいと思います。

マー・フォンライ(音月 桂)  

月夜歌聲本編での年齢設定を、私は17 18才だと思っていたのですが、
20才だと判明して、正直驚いてしまいました。
フォンライの年齢設定が、この番外編での年齢を決めるからです。
彼のパートナーとなる姫(仮)は、本編後に誕生しています。
そして、彼女が人を好きになり、役者としての自分と向き合うなら、
17才以上に成長しているはずです。
とすれば、この「今 ひとたびの 夢…」でのフォンライは、30代後半と言うことになります。
大人の男性像が必要となりますが、まだイメージが、若くてね、私の中では、20代後半ぐらいを、
考えていたので、戸惑ってます。
これは、置いておいて、簡単な性格設定を。

年齢的に、大人びては居るでしょうが、彼の純粋さは失われては居ないだろうし。
京劇に対しては総てを賭けられる役者であるべきだと思ってます。
唯 彼の優しさが、自分を追いつめることになるかも…。



姫(仮)


スージェイの長女。
父方の京劇役者としての血を色濃く受け継ぎながらも、
女である性別に阻まれて舞台に立てないことに憤りを感じている。
まだ何処か幼さの残る少女ではあるが、フォンライを真っ直ぐに慕っている。
役者として、女として向き合う姿勢を持った、凛とした心の持ち主。

イメージとして、小柄でシャープなでも愛らしさのある、娘役さんで。



女形役者  (天勢 いづる)


現在のフォンライの相手役を数多く務めている役者。
姫の才能を充分に知っているからこそ、彼女におそれを感じている。
男だから舞台に立てる、しかし自分の中の説明できない嫉妬は
女だからこその姫に向けられていることも、気づいている。
フォンライの、真の姫になりえない、哀しみ 嫉妬 嘆き そしてそこから生まれる狂気。



星(セイ・仮)

スージェイの長男。
次代の覇王候補として稽古に励んでいる。
かつての父と同じ壁に知らず知らずに、阻まれようとしていた。
役者として、フォンライを尊敬しながらも、姉を奪われる恐れも意識し始めていた。
また、男子であるため、祖父 ワンの愛情が深い。
(当たり前のように、裏社会に出入りし遊んでいた。)
父を慕いながらも、反発と蔑みの感情を抱いている。

 
スージェイ (立樹 遙)

本編での自らの過ちを償うように、フォンライを一人前の役者として世に送り出した。
子供への愛情。京劇への想い。
そして、忘れえぬ彼の女への想い出の中で彼は生きてきた。
妻 ホアリェンに愛情は持っているが、それも償いの中から生まれた物か…。
子供達には、京劇に対しては厳しく。それ以外では優しい父親でもあった。
しかし、今だに残る僅かな心の闇を持っている。



ホアリェン (愛田 芽久)

スージェイを守るために罪を犯すが、父の力で事なきを得る。
スージェイを愛するあまりに、自らを次第に見失っていく。
息子に娘に、彼女も忘れられない二人の影を見て、次第に追いつめられていく。
彼女の中の狂気が、ひとつの話しのポイントになるのではないか…!?



歌姫

作品上 星の相手役。
日本人の父親と中国人の母親を持つ混血であるため、幼い頃からかなり辛い目に遭ってきた模様。
現在父親は共に暮らしていない。
と、いうか彼女は父親の顔を覚えては居ないであろう。
彼女の父親は日本軍人であると考える。
彼女と関わったことで、星は京劇から離れることになる。





1幕のポイント「京劇と日中戦争」

セイと、歌姫は日本軍に追われて、フォンライの元に戻れなくなる。
日本軍は当時京劇の人気役者を使って中国人を味方に付けようとしていた。
実際の人気役者達は、最後まで抵抗した者も多数居たらしいが、そんななかでも、日本軍に協力する
形で、舞台を務めた役者も居たようだ。
これは、人民と国家に対する裏切りである。
しかし、フォンライがセイの命と引き替えだと申し出られたとしたら。
引き受けざるを得ないのではないか。
これを、1幕の最大のポイントにしたい。
ホァイリンは、セイを取り上げた日本軍を憎んでいるだろうし、
女形役者にとっては、フォンライの取ろうとしている行動は、
京劇に自分にとっての裏切りであった。此処で二人の考えが一致する。
と、言うよりホアリェンの激しさに役者が飲まれていく形にしたい。
一時的に、フォンライが舞台に立てなくなるだけど信じて、薬を飲ませる。
結果として、フォンライの役者生命を奪うことになる。




2幕のポイント「覇王誕生」

セイは、役者を続けていた。旅回りの一座で歌姫と共に静かだが明るく生きて居たのだ。
そう、日本軍は彼を捕らえてなど居なかった、二人はむつまじく暮らしていた。
フォンライは、舞台に立てない理由を取り繕いながら、ひた隠しにしながらセイを探していた。
日本軍の監視の元で、度重なる出演依頼を姫が盾となりかわしながら…。
セイは、フォンライが苦しい立場にあることも知っては居たが、帰ることは出来なかった。
女形役者は、自分がフォンライに何をしてしまったか、その事実ゆえに姿を隠した。そして…。
ホアリェンは、戻らないセイを心配し、姫がフォンライに付きっきりなって、
自分の所から離れてしまったことで、より狂気の中にいる。
スージェイは、そのな彼女を見守りながらも、過去の自分と重なる事に恐怖を覚えていた。
ゆえに、フォンライに手を貸すことすら、出来なくなった。
時の流れと、日本軍の横暴さ、その中で生き抜く彼等を描きたい。
そして、セイとの再会と彼がフォンライの舞台に立てない真の原因を知ったとき新しい覇王が生まれる。
登場する数組の男女の愛の形。友との和解。そして、来るべき時代を予感させて、幕としたい。


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